후리가나로 읽는 일본 고전
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かいいくろひめおろし
怪異黒姫おろし
江見 水蔭
江見 水蔭의 怪異黒姫おろし(かいいくろひめおろし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,963자 · 26화면
当分は江戸屋敷に在るべしとの将軍家の内命に従い、母子共に行列厳しく、北国街道を参勤とはなった。
高田殿は女子の今を盛りであった。福井の城に在る頃は、忠直卿乱行の為に、一方ならず心を痛められたが、既にそれは一段落着いたのであった。面窶れも今は治って、血の気も良く水々しかった。
雪深き越路を出て、久々にて花の大江戸にと入るのであった。父君二代将軍に謁見すれば、家の事に就ても新たなる恩命、慶賀すべき沙汰が無いとも限るまい、愛児の為に悪しゅうは有るまいと、空頼みと云わば云え、希望に輝く旅立であった。
新井の宿より小出雲坂、老ずの坂とも呼ぶのが何となく嬉しかった。名に三本木の駅路と聴いては連理の樹の今は片木なるを怨みもした。
右は妙高の高嶺、左は関川の流れを越して斑尾の連山。この峡間の関山宿に一泊あり。明くる日は大田切、関川越して野尻近き頃は、夏の日も大分傾き、黒姫おろしが涼しさに過ぎた。今宵の本陣は信州柏原の定めであった。
「ハテ、不思議や」
梨地金蒔絵、鋲打の女乗物。駕籠の引戸開けて風を通しながらの高田殿は、又してもここで呟かれた。
それは、大田切を過ぎる頃からであった。