후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふのまぼろしへいだんいん
恐怖の幻兵団員
大倉 燁子
大倉 燁子의 恐怖の幻兵団員(きょうふのまぼろしへいだんいん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,784자 · 28화면
「いつからです?」
「今日で、一週間になります」
と云って、ぷつりと口を噤み、涙ぐんだ。
私はそのあとを促がすように無言で夫人の顔を見た。一口に行方不明と云っても、彼女の場合にはいろいろなことが想像されるのだった。
一雄が出征する直前に、両親や親戚の反対を押し切って娶ったこの夫人は、その当時売り出しの映画女優であった。結婚後は映画関係は勿論、派手な交際は一切縁を切って、伯爵家の奥深く引込んでしまったので、いまはどう見ても真面目な貴婦人になっているが、彼女がそうなるまでには数知れぬ苦労を重ねてきたことだろう。私は一雄が行方不明になったという裏面には必ず複雑した事情がひそんでいるものと思った。
やや少時して、夫人は唇をふるわしながら、
「御承知でしょうが、松岡家には一雄と弟の薫と二人しか子供はございません。薫は画家でおとなしい人なので、両親のお覚えもよく、また実によく気がついて、かゆいところに手が届くように父の看護をするので、両親には大変に気に入られておるのですが、一雄の方は到って無口で、ぶっきら棒で、お世辞も云えないので、とかく薄情者だの、親不孝だのと申されて評判がよくないところへ、一週間近くも父の前に顔も出さず、看護もしないので、病人は行方不明になっているとも知らずに、ひどく私へ当てこすったり、悪口を云ったり