후리가나로 읽는 일본 고전
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
すると、驚くべし、あの立派な三角型の美髯が、見る見る顔を離れて行き、そのあとに滑かな頬が現われた。次には口髭に爪を当てると、それも美しく剥がれてしまった。
「つけ髯とは見えなかったでしょう。これを作らせるのには随分苦心をしたものです。ある鬘師と僕との合作なんですがね。普通に註文したんでは、迚もこんな見事なものは出来ません。
この三角髯は、僕の謂わば迷彩なのですよ。無髯の探偵がつけ髯で変装するということは、よくありますが、こんな髯武者の男が、逆に無髯の人物に変装出来るなんて、ちょっと考え及ばないでしょう。僕はそこへ目をつけて、逆手を用いることにしたのです。数年前から、態と目につき易いこんな髯を貯えたと見せかけ、宗像といえばすぐに三角髯を聯想するように、世間の目を慣らして置いて、実はその逆の効果を狙った訳です。ハハハ……、探偵というものはいろいろ人知れぬ苦労をするものですよ」
川手氏は益々あっけにとられてしまった。なる程その道によっては、外部から想像も出来ない苦心のあるものだと、感嘆しないではいられなかった。
博士は十年も若返ったような、のっぺりとした顔に微笑を湛えながら、今度はスーツ・ケースの中から、変装用の衣服を取り出して、膝の前に拡げた。