후리가나로 읽는 일본 고전
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あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
そうしていると、心が澄んで、夜の静けさがしんしんと身にしみる。その静寂の中に、突然、実に突然、川手氏は人間の笑い声を聞いたのである。
丁度便所の壁の外の辺、女の、恐らくは若い女の忍び笑いの声であった。低いけれども、おかしくて耐らないというようにいつまで笑いつづける、まがう方なき女の笑い声であった。
川手氏はゾーッと背筋がしびれるように感じて、外へ出て調べて見る勇気もなく、そのまま寝室へ逃げ帰った。すると益々不気味なことには、手燭をかざして、急ぎ足に通り過ぎる廊下の闇で、スーッと何者かにすれ違ったのである。何か小さなものであった。しかし、人間には違いない。子供とすれば四つ五つの幼児である。それが、目にもとまらぬ素早さで、行手の闇から、足音も立てず、矢のように走って来て、川手氏の袖の下をくぐり、うしろの闇の中へ姿を消してしまったのだ。重ね重ねの怪異に、その夜はまんじりともせず、朝になるのを待って、老夫婦にその由を告げると、ひどく笑われて、山住いに慣れない人はよくそんなことを云うものだ。人の話声は、堀の小川のせせらぎを聞き誤ったのではないか。女の笑い声は、夜の鳥が鳴いたのであろう。