후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
あくまのもんしょう
悪魔の紋章
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 悪魔の紋章(あくまのもんしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,280자 · 301화면
やっぱり人間だ。
息を殺して見ていると、そのものは、二人がそこに坐っているとも知らず、スーッと中の間を通り抜けて、奥座敷の縁側の方へ消えて行った。そして、ギイーと開き戸の軋む音。
あんな音のする開き戸がほかにある筈はない。縁側の隅の手洗い場だ。オヤ、すると、あの怪しい人影は、手洗い場へ入る為めに、二階から降りて来たのであろうか。
「先生、あれは何者です」
博士の耳に囁くと、博士も囁き返す。
「分らないかね」
「何だか、分っているような気がします。でも、今の奴は黒い洋服を着ているように見えましたぜ。男のようでしたぜ」
「それでいいのだよ。あれがあいつのもう一つの姿なのだ」
「捉えるのですか」
「イヤ、もう少し様子を見よう。相手をびっくりさせてはいけない。もう袋の鼠も同じことだからね」
そして、二人はまた押黙ってしまったが、すると、再び開き戸の軋む音がして、黒い影が戻って来た。
暗闇とは云え、相手も闇に慣れている筈だ。見つけられてはいけないと、二人は中の間の隅に身を縮めて、息を殺した。
黒い影は、足音も立てず、スーッと中の間へ入って来たが、ふと何かの気配を感じたように、そこに立止ってしまった。