후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,655자 · 406화면
葉子は足の先が氷で包まれたほど感覚を失っているのを覚えた。倉地の浴したあとで、熱めな塩湯にゆっくり浸ったのでようやく人心地がついて戻って来た時には、素早い女中の働きで酒肴がととのえられていた。葉子が倉地と遠出らしい事をしたのはこれが始めてなので、旅先にいるような気分が妙に二人を親しみ合わせた。ましてや座敷に続く芝生のはずれの石垣には海の波が来て静かに音を立てていた。空には月がさえていた。妹たちに取り巻かれたり、下宿人の目をかねたりしていなければならなかった二人はくつろいだ姿と心とで火鉢により添った。世の中は二人きりのようだった。いつのまにか良人とばかり倉地を考え慣れてしまった葉子は、ここに再び情人を見いだしたように思った。そして何とはなく倉地をじらしてじらしてじらし抜いたあげくに、その反動から来る蜜のような歓語を思いきり味わいたい衝動に駆られていた。そしてそれがまた倉地の要求でもある事を本能的に感じていた。
「いいわねえ。なぜもっと早くこんな所に来なかったでしょう。すっかり苦労も何も忘れてしまいましたわ」
葉子はすべすべとほてって少しこわばるような頬をなでながら、とろけるように倉地を見た。