후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,655자 · 406화면
倉地は葉子が倉地の言葉を理解して驚いた様子を見ると、ほとほと悪魔のような顔をしてにやりと笑った。捨てばちな不敵さと力とがみなぎって見えた。
「愛想が尽きたか……」
愛想が尽きた。葉子は自分自身に愛想が尽きようとしていた。葉子は自分の乗った船はいつでも相客もろともに転覆して沈んで底知れぬ泥土の中に深々ともぐり込んで行く事を知った。売国奴、国賊、――あるいはそういう名が倉地の名に加えられるかもしれない……と思っただけで葉子は怖毛をふるって、倉地から飛びのこうとする衝動を感じた。ぎょっとした瞬間にただ瞬間だけ感じた。次にどうかしてそんな恐ろしいはめから倉地を救い出さなければならないという殊勝な心にもなった。しかし最後に落ち着いたのは、その深みに倉地をことさら突き落としてみたい悪魔的な誘惑だった。それほどまでの葉子に対する倉地の心尽くしを、臆病な驚きと躊躇とで迎える事によって、倉地に自分の心持ちの不徹底なのを見下げられはしないかという危惧よりも、倉地が自分のためにどれほどの堕落でも汚辱でも甘んじて犯すか、それをさせてみて、満足しても満足しても満足しきらない自分の心の不足を満たしたかった。