후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,655자 · 406화면
泳ぎ回る者でもいるように頭の中がぐらぐらする葉子には、殺人者が凶行から目ざめて行った時のような底の知れない気味わるさが感ぜられた。葉子は密やかにその部屋を抜け出して戸外に出た。
降るような真昼の光線にあうと、両眼は脳心のほうにしゃにむに引きつけられてたまらない痛さを感じた。かわいた空気は息気をとめるほど喉を干からばした。葉子は思わずよろけて入り口の下見板に寄りかかって、打撲を避けるように両手で顔を隠してうつむいてしまった。
やがて葉子は人を避けながら芝生の先の海ぎわに出てみた。満月に近いころの事とて潮は遠くひいていた。蘆の枯れ葉が日を浴びて立つ沮洳地のような平地が目の前に広がっていた。しかし自然は少しも昔の姿を変えてはいなかった。自然も人もきのうのままの営みをしていた。葉子は不思議なものを見せつけられたように茫然として潮干潟の泥を見、うろこ雲で飾られた青空を仰いだ。ゆうべの事が真実ならこの景色は夢であらねばならぬ。この景色が真実ならゆうべの事は夢であらねばならぬ。二つが両立しようはずはない。……葉子は茫然としてなお目にはいって来るものをながめ続けた。