후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,655자 · 406화면
「いずれ御挨拶は後ほど、さぞお寒うございましてしょう。お二階へどうぞ」
といって自分から先に立った。居合わせた女中たちは目はしをきかしていろいろと世話に立った。入り口の突き当たりの壁には大きなぼんぼん時計が一つかかっているだけでなんにもなかった。その右手の頑丈な踏み心地のいい階子段をのぼりつめると、他の部屋から廊下で切り放されて、十六畳と八畳と六畳との部屋が鍵形に続いていた。塵一つすえずにきちんと掃除が届いていて、三か所に置かれた鉄びんから立つ湯気で部屋の中は軟らかく暖まっていた。
「お座敷へと申すところですが、御気さくにこちらでおくつろぎくださいまし……三間ともとってはございますが」
そういいながら女将は長火鉢の置いてある六畳の間へと案内した。
そこにすわってひととおりの挨拶を言葉少なに済ますと、女将は葉子の心を知り抜いているように、女中を連れて階下に降りて行ってしまった。葉子はほんとうにしばらくなりとも一人になってみたかったのだった。軽い暖かさを感ずるままに重い縮緬の羽織を脱ぎ捨てて、ありたけの懐中物を帯の間から取り出して見ると、凝りがちな肩も、重苦しく感じた胸もすがすがしくなって、かなり強い疲れを一時に感じながら、猫板の上に肘を持たせて居ずまいをくずしてもたれかかった。