후리가나로 읽는 일본 고전
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
夢野 久作의 斬られたさに(きられたさに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,352자 · 41화면
「アッハッハッハッハッ……」
冷めたい、底意地の悪るそうな高笑いが、小雨の中の片側松原から聞こえて来た。小田原の手前一里足らず。文久三年三月の末に近い暮六つ時であった。
石月平馬はフット立止った。その邪悪な嘲笑に釣り寄せられるように松の雫に濡れながら近付いて行った。
黄色い桐油の旅合羽を着た若侍が一人松の間に平伏している。薄暗がりのせいか襟筋が女のように白い。
その前後に二人の鬚武者が立ちはだかっていた。二人とも笠は持たず、浪人らしい古紋付に大髻の裁付袴である。無反りの革柄を押えている横肥りの方が笑ったらしい。
「ハッハッハッ。何も怖い事はない。悪いようにはせんけんで一所に来さっせえちうたら……」
「関所の抜け道も教えて進ぜるけに……」
「……エッ……」
若侍は一瞬間キッとなったが軈て又ヒッソリと低頭れた。凝と考えている気配である。
「ハハ。贋手形で関所は抜けられるかも知れんが吾々の眼の下は潜れんば……のう……」
「そうじゃそうじゃ……のうヨカ稚児どん。そんたは男じゃなかろうが……」
「……も……もっての外……」
と若侍は今一度気色ばんだが、又も力なく頭を下げた。