일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,659자 · 372화면

아오조라 문고

わしの申すとおり認めい」

「はい」

と、了庵は筆に墨をしめし直して、ふと、家康の顔を仰いだ。

信雄と、秀吉へ、和睦の祝辞を送ろうというのだ。その文案に、家康は顔を斜めに、眼をふさいでいた。いや、辞句を練るまえに、熱鉄を呑むような思いを、まず胸の中で、整理している容子である。

やがて、淡々と、書面の文を、口述した。

七歳の頃から今川家の質子とはなったが、臨済寺の寒室で、雪斎和尚について、学問をうけた家康は、その点、秀吉とは、比較にならない高等教育をうけている。だから秀吉の祐筆は、秀吉が云いたい放題にいうことを、常識にもどした文体に書くのが役目だったが、家康の祐筆は、家康が口述するままを、一辞一句たがえず、清書すれば、それで足りた。

――二通。認め終ると、

「伯耆に参れと申せ」

と、小姓へいいつけた。

祐筆は、認めた二通を、家康のまえに残して、部屋へ退がる。

入れかわりに、燭を持った近習が、もの静かに、二ヵ所へ、明りをすえて去った。

いつか、日が暮れていた。灯を見て、家康は、何か今日一日が短い気がした。それだけ、自分の心に、胸中の多忙と、半面のうつろがあったものかと、独り思った。