일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,659자 · 372화면

아오조라 문고

しかし、かれはこの名だたる名誉の敵の首を、掻き切ろうともしなかった。

びくびく動いている敵を見下ろしながら、慶次郎は、槍を肩に立てて、鎧の草ズリの下から向穿きの前を解き、悠々と、小便をし始めた。

尿のさきは、鯰之助の顔や肩に飛沫をちらした。あわれ、敵は、わずかに身うごきしたのみである。

「わあーッ。ざま、見さらせ」

慶次郎は、槍をかついで、駈け出した。見ると、もうそこには、敵もいないが、味方もいない。

搦め手の城門が、ぽかんと、口をあいている。

末森城の内部の者は、利家以下が救援に近づいたと知り、満城、よろこびの声をあわせて、城外へ、打って出ていたものとみえる。

そして、この方面の包囲を蹴ちらし、利家を迎え入れて、今や、十死一生のうちに、われ生きたり――と手を握りあう人々のうれし涙に、そこの孤城は、かえって一瞬、ひそまり返っているふうだった。

こういう時、人間の感情は、泣いていいのか、踊っていいのか、わからなくなる。

城主の奥村助右衛門は、利家を迎えて、黙然――ただ黙然とそのまえにぬかずいた。

「助右。いま着いたぞ」

利家はこういって通ったが、助右衛門は、ことばもなく、ただその姿を拝むように、かれに従いて、本丸へ行った。