후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,659자 · 372화면
と、うなずいた。そして、小牧の空をふり向いたとき、ぞくと、何か身のひきしまる思いがした。
秀吉はいとやすやすというが、これだけの大軍を引きあげるのは、進撃以上のむずかしさがある。しっぱらい(殿軍)の任は、そのゆえに、至難中の至難とされ、よほどな剛気と勇猛の士でなければ、その大役は果せぬものといわれている。
小牧山の本営は、この朝、秀吉の大軍が、せい然と、西へひき揚げてゆくのをながめて、
「あれよ、羽柴筑前をはじめ、上方勢はことごとく撤退してゆく」
「いやいや。よもや秀吉が、ここを引き払う気づかいはない」
「不審、不審」
と、みな疑心暗鬼にとらわれて、変を、家康へ告げた。
「すわ、敵の戦意は、くじけたにちがいない」
と、なみいる諸将は、こぞって、
「ここを、追い撃ちすれば、上方勢は、支離滅裂となり、お味方の大勝はうたがいもありません」
と、おのおの出撃すべしと気負い立って、令を求めたが、家康はいっこうよろこぶ気色もなく、また、追い撃ちも、断じてゆるさなかった。
かれは、秀吉ほどな者が、理由なく、大兵を撤退するわけはないと思った。そして、自軍には、守るに足る力はあるが、何らの条件もない曠野に出て、かれと戦うには、なお力が足らないことを知っていた。