후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
、ために一人の武者をして、十数人を一瞬に突き伏せさせるなどという勇名を恣にさせるような場合も絶えずある。
特に、甲州方には、こういう類の猛者が非常に多かった。
その密集団に迫られては、徳川勢も織田兵も、まったく一たまりもなかったのである。大久保隊はたちまちのうちに、惨たる潰滅をうけてしまった。
――が、この大久保隊も、もう一隊の佐久間勢も、柵外に出ている目的は、敵の誘いにあって、実は、勝つことが最善ではない。だから逃げればいいのである。しかし、顔の前に、すぐ甲州兵の顔を見ると、
「こいッ」
積年の敵愾心は燃えあがらずにいられなかった。退くにしても、背中へ、
「弱虫ッ」
という罵声を浴びたくない。そして必然、血けむりの中へ、常の人間性はかなぐり捨てられ、ただ自国と武門の名あるのみになる。
かかるうちに、頃はよしと見たか、甲州一万五千の中央部は雲の如く前進を開始して来た。これなん鳥雲の陣とでもいうのか、やがて織田軍の柵へ近づくや、原、内藤、武田信廉の諸部隊からまず鳥群のむら立つように、一斉、喚きかかって来た。
甲軍の眼には、この木柵線のごとき、何物でもなかったに違いない。