일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면

아오조라 문고

十倍もある敵の大軍のなかへ、彼のすがたも彼の声もたちまち没し去った。それにつづいて行った馬場の一族郎党も、各※(二の字点、1-2-22)、彼に倣って、華々しい討死を遂げたことはいうまでもない。

信房ほど、この戦を、最初から見透していたものはない。恐らく彼は、この後の、武田家の衰亡から滅散にいたるまでの運命まで、悟っていたにちがいない。しかも――彼の先見や誠忠をもってしても――この危機を救うことができなかった。時代の力、偉きな大勢の推移、怖ろしいばかりである。

からくも鳳来寺山の方面へ落ちのびて、勝頼の中軍と合した総甲州軍は、そのとき数えてみると、最初約一万五千以上――二万近くもあった軍勢が、わずか三千に足らなかったという。

勝頼は、側近数十騎と共に、小松ヶ瀬を渉って、ようやく、武節の城へ逃げこんだ。――剛毅無双な彼も、終始、唖のような無口になっていた。

設楽ヶ原いちめんに、赤い――実に赤い、夕陽は落ちかけていた。この日の大戦は、夜明け方の五時頃から開始されて、たそがれ近い四時すこし前に終った。一馬啼かず、一兵叫ばず、曠野は急に寂寞の底へ、とっぷり暮れ沈んでいた。