후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 176,911자 · 353화면
かえりみて、その短き青春を、一日とて、徒食に送らなかった多艱に謝した。年少の逆境、青春の苦闘、それが今日の自分を作ってくれたとおもう。暗黒の世と濁流の巷がわれに与えてくれた恩恵であったとおもう。
主とよばれたが、心の友、竹中半兵衛も、彼の半生には忘れがたい人だった。半兵衛亡きのちも、困難に会うと、半兵衛あらばと、おもい出された。それを何ら酬ゆることもなく逝かせてしまった。ふと、痛涙を刺すようなものが秀吉の眼を熱くした。――菩提山上、一片の雲は、無心だったが。
「あ。……おゆう」
彼はそのとき路傍の松影に、ひとりの清楚な尼法師の白い頭巾をしてたたずむのを見た。
尼のひとみは、ちらと秀吉の眼と合った。それは征く人の行くてへの祈りと、つい先ごろの施物の恩謝とを語っていた。秀吉は、馬をとめた。うしろを振り向き、何ごとかをいいつけようとしたらしかった。――が、松影の白鳥はもう見えなかった。
その夜、彼の泊った宿営に、一盆のよもぎ餅が届けられていた。ひとりの若い尼が名もつげずに、さしあげて賜われ――と、おいて行ったものという。
「これは、うまい。……なんと蓬の香のよさよ」