일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면

아오조라 문고

毛受勝助は、その姿を見送っていた。ふと蔽い得ない憂色が眉をかすめていた。彼が面を冒して今のような咎めだてをしたのは、ただに軍律ばかりでなく、日頃から玄蕃允の態度に対して、ひそかに反省を求めたいものがあったのである。それは玄蕃允が何かにつけて、勝家の寵に驕っている風があることだった。北ノ庄の主脳部に一族間の私情的な盲愛と狎恩が濃くうごいているのを見ると、勝助は、この堅陣も心もとない気がしてならない。尠なくも、軍中においては、“叔父御”などという私称をもって、この大軍の総帥を呼ばせたくない気持だったのである。

――が、当の玄蕃允は、勝助家照の憂いなどは、もとより意にもなかった。彼は直接、叔父勝家の帷幕へ臨んで、居合わせた衆臣を尻目に、

「御用がすみましたら、ちと内密に」

と、勝家へ囁いて、しばらく、傍らの床几にひかえていた。

勝家は匆々に、評議を切上げ、諸将を退けてから、さて何事? と床几の膝をこの甥とつき合わせた。

玄蕃允はまず、にんまりと笑ってみせてから、この叔父をよろこばすべく、黙って、山路将監の返書を先に示した。

「ううむ。でけたのう」

勝家の満足はひと通りではない。