후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
「蜂ヶ峰の使いは帰ったか、まだ居るか」
馬の背に移りながら玄蕃允は左右に訊いていた。そして、いると聞くと、馬前へ呼び、
「すぐ立ち帰って、彦次郎(原房親)に申せ。われら本隊は、今よりここを立ち退き、清水谷、飯浦坂を越え、川並、茂山を経て引揚ぐるほどに、彦次郎一手の者は、しっぱらいしつつ後より来いと――」
命じ終るとすぐ玄蕃允は旗本たちと一群になって、真っ暗な山道を辿り出した。
「彦次郎を後におけば」
と、いささか心のゆとりも生じて来た。しっぱらいとは、殿軍のことで、後払い――武者訛りから来たものであろう。
かくて、佐久間本隊が総退却にかかり出したのは、亥の下刻(午後十一時)頃であり、この夜、月の出は、今の時間にして、十一時二十二分。――で、約三十分間ほどは、敵に移動を覚られまいとするため、松明もつかえず、ただ打ち振る火縄と星を頼りの暗夜行路だったのである。
玄蕃允の根本的誤謬が、いかに部下の将士を極度に狼狽させたことか。小瀬甫庵の甫庵太閤記に、その状を、
――玄蕃允陣中もいよいよさわぎ立ち、立ち退きなんとひしめきしかど、昨夜は節所を窘歩し来り、昼は終日戦ひ暮れたり、目ざすも知らぬ夜の道、小笹が上の露もろとも、おちまろび、起きては倒れ、倒れては起き上り急ぎしが、せめて月をよすがにせむと、ののじる内に二十日夜の