후리가나로 읽는 일본 고전
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
横光 利一의 旅愁(りょしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 576,941자 · 1138화면
東野は十九世紀初頭のフランスの文豪たちの、ずらりと並んだ彫像を眺めていても、別に何んの感動も顕さず、誰より先に公園の出口から出ていって、左側にある公衆便所に這入ってしまった。久慈や塩野が公園の外へ出てから暫くして、東野は便所の中から出て来た。そして、
「一つ出来たぞ。」と明るい笑顔で久慈に云った。
「僕のお師匠さん、便所の中で作るんですかね。どんなんです。」
東野は頭を一寸ひねってから、
「日の光り初夏傾けて照りわたる。」と呟いた。
「何んだそれや、お経じゃないか。」
と久慈は大きな声で笑い出した。
「ノートル・ダムへ行くのなら、お経一つぐらい唱えなさい。」
「それや、たしかにそうだ。僕の写真機は、これやお経の眼玉だからな。」
と塩野は塩野で一寸自分の手擦れて汚くなったイコンタを上げて眺めてみた。
「君にもやっぱり写真機お経に見えるのか。」
と久慈は不用意に塩野に訊ねた。
「定ってるじゃないか。やたらにこのシャッタ切れるかい。」
写真を芸術だと思わぬ久慈の口吻に、塩野はきっと対抗した気構えを見せたが、ノートル・ダムの尖塔が見え始めるとそれもすぐ忘れたらしく、サン・ミシェルの坂の方へ出ていった。