후리가나로 읽는 일본 고전
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うえの
日和下駄 一名 東京散策記
永井 荷風
永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면
「お民、お前、どこか末広のような所にいたことはないのか。」と僕等の中の一人がきいた事がある。するとお民は赤坂の或待合に女中をしていたことがあると答えたので僕は心窃に推測の違っていなかった事を誇ったような事もあった。
だんだん心やすくなるにつれて、お民の身の上も大分明かになって来た。お民の兄は始め芸者を引かせて内に入れたが、間もなく死別れて、二度目は田舎から正式に妻を迎え一時神田辺で何か小売商店を営んでいたところ、震災後商売も次第に思わしからず、とうとう店を閉じて郡部へ引移り或会社に雇われるような始末に、お民は兄の家の生計を助けるために始てライオンの給仕女となり、一年ばかり働いている中Sさんとかいう或新聞の記者に思いを掛けられ、其人につれられて大阪の方へ行って半年あまり遊び暮していた。別れて東京に帰ってから二三軒あちこちのカッフェーを歩いた後遂に現在のカッフェーへ出ることになったのだと云う。併し始て尾張町のライオンに雇われた其より以前の事については、お民は語ることを好まないらしく成りたけ之を避けているように見えた。それとなく朋輩の給仕女にきいて見ると、十八九の時嫁に行き一年ばかりで離縁になったのだと言うものもあれば、十五六の時分から或華族のお屋敷に上っていたのだ。