후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
にほんにおけるくりっぷんじけん
日本に於けるクリップン事件
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 日本に於けるクリップン事件(にほんにおけるくりっぷんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,290자 · 21화면
村の人たちが、彼女が連れて歩いているのをしばしば見たという犬は、即ちグレート・デンのことで、巴里子は狼犬の方が到着する前に、歌劇の一座に加わって半月ばかり九州へ巡業に出かけ、帰って来たのが事件のあった前日の午後であった。そうして実にこの一事こそ、犬好きの彼女が犬に喰い殺されるという惨禍をもたらした原因であった。巴里子も小栗もたびたび猛犬を手がけていた結果、犬を恐れる観念が乏しく、油断していた。それでも小栗は、今度の犬は取り分け性質が荒々しいことを知っていたから、彼女の留守中にそれを自宅へ引き取って以来、毎日毎夜馴らす練習を続けていた。特に彼女の帰宅する日は、万一の事を慮って、階下の一室へ押し込めにしたくらいであった。が、それがかえって悪かったのか、犬は事件の突発するまで彼女に親しむ機会がなく、主人を虐げる悪魔であるとみたのであった。
警官は念のために小栗の家の間取りを調べた。それは前にもいう如く文化住宅式の借家で、中は二階が日本座敷、階下が西洋間になっていた。当夜惨劇の起った部屋は、八畳敷の畳の上に鉄製の寝台(ダブルベッド)が据えてあり、そこが夫婦の寝室――というよりも、巴里子が夜な夜な彼女の哀れなる奴隷の上に、あらゆる拷問と体刑を科する仕置場であった。