후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
にほんにおけるくりっぷんじけん
日本に於けるクリップン事件
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 日本に於けるクリップン事件(にほんにおけるくりっぷんじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,290자 · 21화면
クラフト・エビングによって「マゾヒスト」と名づけられた一種の変態性慾者は、いうまでもなく異性に虐待されることに快感を覚える人々である。従ってそういう男は、――仮りにそれが男であるとして、――女に殺されることを望もうとも、女を殺すことはなさそうに思える。しかしながら、一見奇異ではあるけれども、マゾヒストにして彼の細君または情婦を、殺した実例がないことはない。たとえば英国に於いて一千九百十年の二月一日に、マゾヒストの夫ホーレー・ハーヴィー・クリップンは、彼が渇仰の的であったところの、女優で彼の細君なるコーラを殺した。コーラは舞台名をベル・エルモーアと呼ばれ、すべてのマゾヒストが理想とする、浮気で、わがままで、非常なる贅沢屋で、常に多数の崇拝者を左右に近づけ、女王の如く夫を頤使し、彼に奴隷的奉仕を強いる女であった。その犯罪が行われた正確な時刻は今日もなお明かでないが、前記一千九百十年の二月一日午前一時以後、コーラは所在不明になり、誰も彼女を見た者がない。夫クリップンは人に聞かれると、妻は転地先で病死した旨を答えていた。が、五箇月を経てからスコットランド・ヤードの嗅ぎつける所となり、刑事が彼に説明を求めると、彼は極めて淡白に、「死んだといったのはなんです。