후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
山本 周五郎의 日本婦道記(にほんふどうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,841자 · 25화면
石のように冷たく硬直した頭、白く乾き、かたくくいしばった口もと、そして頬へみだれかかっていた二筋三筋の髪、そういうものがいきなり由紀の眸子に噛みついてきた。枕もとには見知らぬ若侍が三人となほ女が坐っていたのだけれど、殆んど眼にはいらなかったといってよい。由紀はただ休之助の顔をみつめた、――このかたがじぶんの良人だ、そう繰返し自分に云いきかせながら……。
その夜はとうとう寝ずじまいだった。医者が来て傷の手当をしたが、傷は左の脇腹で三十針の余も縫ったほど大きく深かった。休之助は苦痛は訴えなかったけれども、三どばかり「仕損じた、腹を仕損じた」というような意味のことを呟いた。重傷で頭が紊れているためか、それともなにか理由があって本当に切腹しそこねたものか、どちらかわからないが聞いている者にはひじょうに疑惑を唆られる言葉であった。届け出はとりあえず急病ということに人びとの相談がきまり、生命だけは大丈夫ということをたしかめて、若侍たちは帰っていった。こうして祝言の盃もなく、いきなり怒濤に巻きこまれたような騒ぎのなかで、由紀の新婚の第一夜は明けた。朝になると居残っていた父母も仲人も帰った。