후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
憐み、恐れ、千々の思は電光(いなずま)のように源の胸の中を通りました。馬は気勢の尽き果てた主人を残して置いて、牝馬と一緒に原の中を飛び狂う。使役される為に生れて来たようなこの畜生も、今は人間の手を離れて、自由自在に空気を呼吸して、鳴きたいと思う声のあらん限を鳴きました。ある時は牝馬と同じように前足を高く揚げて踴上るさまも見え、ある時は顔と顔を擦(すり)付けて互に懐しむさまも見える。時によると、牝馬はつんと憤(すね)た様子を見せて、後足で源の馬を蹴る。すると源の馬は長い尻尾を振りまして、牝馬の足を押戴くように這倒(はいのめ)る。やがて牝馬の傍へ寄って耳語(みみうち)をすると、牝馬は源の馬の鬣(たてがみ)を噛(か)んで、それを振廻して、もうさんざんに困(じら)した揚句、さも嬉しそうな嘶きを揚げる。二匹の馬は互に踴りかかって、噛合って、砂を浴せかけました。獣の恋は戯(たわむれ)です。
急に二匹の馬は揃って北の方へ馳出しました。見る見る遠く離れて、馬の背の上に仰(あおむ)けさまに仆れたお隅の顔も形も分らない程になる。不幸な女の最後はこれです。
やがて馬の姿も黄色い土塵(つちぼこり)の中に隠れて見えなくなりました。