후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
その足で、比佐は漸くこの仙台へ辿り着いた。宿屋の娘にそれを言われるまでは実は彼自身にも気が着かなかった。
ここへ来て比佐は初めて月給らしい月給にもありついた。東京から持って来た柳行李には碌な着物一枚入っていない。その中には洗い晒した飛白の単衣だの、中古で買求めて来た袴などがある。それでも母が旅の仕度だと言って、根気に洗濯したり、縫い返したりしてくれたものだ。比佐の教えに行く学校には沢山亜米利加人の教師も居て、皆な揃った服装をして出掛けて来る。なにがし大学を卒業して来たばかりのような若い亜米利加人の服装などは殊に目につく。そういう中で、比佐は人並に揃った羽織袴も持っていなかった。月給の中から黒い背広を新規に誂えて、降っても照ってもそれを着て学校へ通うことにした。しかし、その新調の背広を着て見ることすら、彼には初めてだ。
「どうかして、一度、白足袋を穿いて見たい」
そんなことすら長い年月の間、非常な贅沢な願いのように考えられていた。でも、白足袋ぐらいのことは叶えられる時が来た。
比佐は名影町の宿屋を出て、雲斎底を一足買い求めてきた。足袋屋の小僧が木の型に入れて指先の形を好くしてくれたり、滑かな石の上に折重ねて小さな槌でコンコン叩いてくれたりした、その白い新鮮な感じのする足袋の綴じ紙を引き切って、甲高な、不恰好