후리가나로 읽는 일본 고전
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はるいくたび
春いくたび
山本 周五郎
山本 周五郎의 春いくたび(はるいくたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,094자 · 142화면
――そこは一番高いところが標高千米あまりある山脈で、大村城下を東方二十四粁の近さに見おろしている、そしていま敵は更にそこへかたい砦をつくっているのだ。
大村軍はあいだ十二粁をへだてて陣をかまえ、すきがあったら攻めかかろうとおりをねらっているが、なにしろすぐれた鉄砲にさまたげられて動くことができない、――若菜が兄をさがしにでかけたのはこういうありさまのときであった。
若菜はまずしいみなしごというすがたにやつし、いちど有馬領へはいって大まわりに釜伏山の西がわへやってきた。もうそのあたりは赤沢軍の勢力のなかで、いたるところに陣屋や木戸があり、土はこびの人足や、柵を建て壕をほる人たちが行ったりきたりしているし、そのあいだを騎馬の武士が走ってゆくかと思うと、列をつくった兵たちが、かわいた道にもうもうと土けむりをあげながらすすんできたりする。――若菜は五日ほどのあいだ、そのこんざつのなかにまぎれこんでいたが、いつか陣屋の兵たちとしりあいになった。
――戦のために家を焼かれ、親兄弟ともわかれわかれになったみなしご。
そういう身の上の者は少くなかったし、ことに少女だということが敵をゆだんさせたのであろう。