후리가나로 읽는 일본 고전
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はるのやま
春の山
久生 十蘭
久生 十蘭의 春の山(はるのやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,782자 · 18화면
子供の母親が提灯を持って、「カネやーい、カネやーい」と叫びながら、尾根や谷戸の上の道を根気よく探しまわっていた。提灯の火は夜の明けるまで見えていた。思いかえしてみると、この半年ほどの間に、自然に人事がまじりあったのは、そのときだけだった。
浄瑠璃寺の弥勒仏そっくりの顔をした由さんという六十ばかりになる常傭の植木屋と、仲間の六さんというのが、月に三度、庭を掃除しにくる。郵便配達の三三さん、小坪で網元といわれている吉兵衛、その息子の吉青年……その辺が画室の常連だが、そういう組合せでは、いたずらに煩わしいばかりで、精神を高めてくれるような、なんの寄与もしない。とても、人生の一大事に逢着するというようなことにはならないのである。
由さんは若いころ小博奕に凝って、横須賀のなんとか親分の身内になり、銀被せの木刀を腰に差し、テラ箱を担いで田浦衣笠の辺を走りまわったこともあったそうで、そのころの気風が残っているのだとみえ、植木ばかりいじって暮しているくせに、いうことになんとなくクセがある。それは由さんだけのことではなくて、六さんも、三三も、吉兵衛も、その息子の吉青年も、遊び好きでアクの強いことにかけては、由さんと変りはない。