일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はる

春

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,464자 · 21화면

아오조라 문고

そして小説家の頭の中で、三つの要点に別たれていました。――一、彼は蒼ざめていた。二、彼は窓際に坐っていた。三、彼は彼女に接吻した。――三から先がまだあるのですが、そこが小説家にはどうもまとまりかねたのです。

「では始めから順々に話してみ給いよ。」と批評家は云いました。

「うむ聞いてくれよ。」

そこで小説家は、「彼は蒼ざめていた」を話し初めました。

和田弁太郎は次第に蒼ざめていった。顔色ばかりではなく全体が蒼ざめていった。昼間もそうであるが、殊に夜はひどかった。

板と硝子とで密閉されてる室の中に、六人の青年が眠るのである――規定では夜十時から午前六時まで。

春の夜の屋内の空気は、それ自身既になま温い。昼間吸いこまれた日光の余温と、垢や脂にむれてる布団のいきれと、無数に立迷ってる肉眼的なまた顕微鏡的な埃。その中に、六人の男が密閉されて、八時間眠るのである。八時間――四百八十分――六人。血気盛んな肉体の汚気が、約一万回排出される。

むーっとして、重々しく濁り淀んでいる。

そういう寝室が二階に三つ並んでいる。和田弁太郎のは、不幸にもその真中の室である。だから、彼が夜中に、夢現の熱っぽい気持で、ふっと眼を覚すと、その寝室の不潔な鬱陶しい蒸部屋の感じが、壁越しに左右へ伸び拡がり、或る巨大な重苦しさとなって、彼の上へのしかかっ