후리가나로 읽는 일본 고전
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きそおんたけのりょうめん
木曽御嶽の両面
吉江 喬松
吉江 喬松의 木曽御嶽の両面(きそおんたけのりょうめん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,819자 · 32화면
四辺が次第に暗くなって来るにつれて、ただ走るより外に法はない、再び機械的に走り出した。殆んど夢中に歩いた。何里位か判明らないが、山が低くなって地がやや開けて来たと思うとその山の下に火影が一つ見えた。懐しき火影、この時位人家を懐しく感じた事はない。疲れた足をひいて走った。途中で松火を点して来る女にあって漸く西洞へ来た事が判明った。その松火を売ってもらって教えられた宿屋へと着いた。大きな家の中央に炉が切ってあって、六尺もある大きな木が三、四本燃やしてある。宿の老爺は「ようこそ」と自分らを迎えてくれた。胡瓜の汁の味でも濁川の湯のものなどには比べものにはならない。空腹を癒して臥床へはいると、疲労がすぎたのか眠られない。遠くない処で馬の鼻を鳴らす音も聞える。――ふと林務官の事が胸に浮んで来た、雨に逢って如何したろう、今夜濁川へ行ったろうか。彼のような林務官が殺されるだろうか、――なぞと思っている中にいつしか寝ってしまった。
雨と霧とに巻かれて六里の間、人っ子一人登って来ない御嶽の裏山を飛騨の国に降りて、その晩は西洞という山の中の村へ泊った。疲かれ切っていたので、前後不覚に寝込んでしまった。