후리가나로 읽는 일본 고전
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まつかぜのもん
松風の門
山本 周五郎
山本 周五郎의 松風の門(まつかぜのもん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,862자 · 26화면
どんなに困難な道だったか、高く秀でた額から衿首まで膏汗が流れていたし、草鞋も足袋も襤褸屑のように擦り切れていた。
「やはり、考えていたような場所だ」暫くのあいだ両岸の深い森と、断崖に支えられた底知れぬ谿谷を覗いていたが、やがて背負って来た荷物を下ろしながら呟いた「此処なら邪魔をされずに済むだろう」彼は洞窟の中へ入って荷を解きだした。
その明る朝、まだ灰色の薄明が漸やくひろがり始めた時分、若い武士は既に起きて、洞窟の入口に近く静坐していた……骨太の逞しい足を半跏に組み、両手の指を組合せて軽く下腹に当て、半眼にした眸子でじっと壁面を瞶めたまま身動きもせず坐っていた。大滝の音は、音というより絶えざる震動となって谿谷に反響し、霧のように渦巻く飛沫は、ときたま颯と吹下りて来る風と共に、樹々の枝葉から滴となってばらばらと白雨の如く散り落ちた。……若い武士は直ぐに疲れた。
「ただ坐っているというだけでも困難なものだな」
彼はそう呟きながら立った。そして首を捻曲げたり肩を揺上げたり、両腕を振廻したりして、暫く筋肉の凝をほぐしてから、ふと思出したように旅嚢を引寄せ、乾した棗の実を二つ三つ取出して口へ入れた。