일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いなかがえり

林芙美子随筆集

林 芙美子

林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면

아오조라 문고

落合川をへだてた丘の下落合には、片岡鉄兵さんや、吉屋信子さんが住んでいた。鉄兵さんにはよく中井の駅の通りで会った。吉屋さんは、玄関の前に井戸のある私の陋屋に時々おとずれて面白い話をしてゆかれた。実際陋屋と呼ぶにふさわしく、玄関の前に井戸があるので、家の前は水の乾くひまもなくて、訪ねて来る人たちは足元を要心しなければならない。新聞社で写真を撮りに来ると、外に写す場所がないので、よく井戸を背景にして写して貰った。

前は二軒長屋の平屋で、砲兵工廠に勤める人と下駄の歯入れをする人、隣家は宝石類の錺屋さんで、三軒とも子供が三、四人ずついた。その子供たちが、皆元気で、家に飼っていた犬の毛をむしりに来て困った。

この落合川に添って上流へ行くと、「ばつけ」と云う大きな堰があった。この辺に住んでいる絵描きでこの堰の滝のある風景を知らないものはもぐりだろうと思われるほど、春や夏や秋には、この堰を中心にして、画架を置いている絵描きたちが沢山いた。中井の町から沼袋への境いなので、人家が途切れて広漠たる原野が続いていた。凧をあげている人や、模型飛行機を飛ばしている人たちがいた。