후리가나로 읽는 일본 고전
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면
三上於菟吉氏が大変讃めて下すったのを心に銘じています。――この頃から、私はフィリップに溺れ始め、フィリップの若き日の手紙には身に徹しるものを感じました。私は、まるで大洪水に逢ったように、売るあてもない原稿の乱作をしました。『清貧の書』と云う作品もこの時代に書きました。この時代ほど乱作した事はありません。昭和四年の夏、私は着る浴衣さえも売りつくして、紅い海水着で暮らしていました。掘の内の墓場に近い広い庭園の中の家で、着物がなくても気兼ねすることはありませんでしたが、ある日、大きな鞄をさげて一人の紳士が私を訪れて来ました。折悪しく、その紅い海水着のまま、台所とも玄関ともつかない所で洗濯していた私は、ぞんざいな口調で、「何ですか」と尋ねたものです。「改造社のものです」と、その紳士は私に名刺を出しました。私は、裸に近い自分に赤面してしまって、とにかく、着物もないのですからむき出しのひざ小僧へ手拭をあてて縁側へ坐って挨拶しました。その方が、改造社の鈴木一意氏でした。
私は、その秋の改造十月号に『九州炭坑街放浪記』と云う一文を載せて貰うことが出来ました。その時のうれしさは何にたとえるすべもありません。