후리가나로 읽는 일본 고전
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かき
柿
山本 周五郎
山本 周五郎의 柿(かき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,565자 · 25화면
六
「許して呉れ、拙者は」
「知らなかった。そうだ。そう云って了えば貴公はそれで済む、……然しそれで済まぬ者がいることを忘れないで呉れ」
「走川……」
「邪魔をした」
兵馬は声を震わせながら立った。
なんという意外な結果であろう、……妙な女を引入れているという世評は事実だった。然もその女との卑しい情事のあいだに、彼は恬然として兄妹の好意を偸んでいたのだ。
――あの眼が、あの眼が。
妹を見るときの辰之助の眼が、あの眼のなかに耀いていたものが、愛情ではなかったというのか。
――見損った。
兵馬は思わず呻吟した。
六
家に帰ってからも、妹の前を逃げるようにして居間へ引籠った。……今夜牧野を訪ねるということは云ってあった、小房が様子を知りたがっていることは痛いほどよく分る。
――だが云えるか、云えるか是が。
兵馬は笑いたくさえ思った。
辰之助をひとすじに信じて来た自分の愚直さを、道化のような鈍さを、ありたけの声で笑いとばしたかった。
小房はなにも訊かなかった。
話さぬことは聞かぬといういつもの態度ではない、鋭敏な乙女の感覚は、兄の表情から事の始末を察したのである。……むろん理由は分らない、然し待っていたことが徒になったというだけは慥かだ。