후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
皆小僧々々した容子をして御店の方で働いていた、つい二三年前までのことを覚えている捨吉の眼には、あのませた口の利きようをする色白な若者が、あれが新どんか、あの粗い髪を丁寧に撫でつけ額を光らせ莫迦に腰の低いところは大将にそっくりな若者が、あれが吉どんか、と思われるほどで、割合に年少な善どんでさえ最早小僧とは言えないように角帯と前垂掛の御店者らしい風俗も似合って見えるように成って来た。皆揃って頭を持上げて来た。皆無邪気な少年から漸く青年に移りつつある時だ。何となくそよそよとした楽しい風がずっと将来の方から吹いて来るような気のする時だ。隠れた「成長」は、そこにも、ここにも、捨吉の眼について来た。
お母さんに別れを告げて、捨吉は田辺の家を出た。学校の寄宿舎を指して通い慣れた道を帰って行く彼の心は、やがて一緒に生長って行った年の若い人達の中を帰って行く心であった。明治座の横手について軒を並べた芝居茶屋の前を見て通ると、俳優への贈物かと見ゆる紅白の花の飾り台なぞが置かれ、二階には幕も引廻され、見物の送迎にいそがしそうな茶屋の若い者が華やかな提灯の下を出たり入ったりしていた。