후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
姉さんもなかなかの元気で、東京の方で見るよりは顔の色艶も好かった。
「捨吉、貴様はまだ昼食前だろう、まあ飯でもやれ。今皆済ましたところだ」と小父さんが言った。
「捨さんもお腹が空いたろう。すこし待っとくれ。今仕度させる」と姉さんも言った。「こう多勢の人じゃ、なかなか一度にゃ片付かないよ」
その時、奥の方から昼飯を済ましたらしい店の連中がどかどかと押してやって来た。皆捨吉に挨拶して帳場の側を通った。新どん、吉どん、寅どんのような見知った顔触の外に、二三の初めて逢う顔も混っている。その時捨吉は大勝の御店の方の若手が揃ってここへ手伝いに来ていることを知った。年少な善どんまでが働きに来ていた。それを見ても、あの大勝の大将が小父さんの陰に居て、どれほどこの伊勢崎屋の経営に力を入れているかということも想われた。
「岸本さん、お仕度が出来ました。どうぞ召上って下さい」
と告げに来る房州出の下女の顔までが何となく改まって見えた。
食後に、捨吉は二階建になった奥の住居を見て廻った。裏口の方へも出て見た。
「捨さん、来て御覧」
という姉さんの後に随いて行って見ると、帳場の後手から自由に隣家の方へ通うことが出来て、そこにはまた芝居の楽屋のような暗さが閉めきった土蔵造の建築物の内部を占領していた。