후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
梅崎 春生의 桜島・日の果て・幻化(さくらじま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 169,810자 · 345화면
宇治はそのような出来事を見たり聞いたりする度に、同僚のそんな失態がおれとどんな関係があるのかと突っぱねて考えるのであったが、何か突っぱね切れぬかすのようなものが心に残った。女をつくるということは公然の秘密であった。宇治も女に対する嗜好がないではなかったが、また道徳的である訳でもなかったが、女をつくろうという気にはなれなかった。年齢から来ているのかも知れない。しかしその当時は彼は自分の心が頽廃することが一番こわかったのだ。
あの家が花田の宿舎であったのか、それは宇治はとうとう知らず終いであった。誰にも言わず誰にも聞かなかった。しかしあのカアテンから見た一瞬の光景は、異常な鮮明さで彼の心に灼きついている。南口の戦場から花田が離脱したことを耳にしたとき、彼はすぐあの目の大きな女のことを思い浮べたのだ。あの女であるとすれば――あの女はどうやって隊についてカガヤン渓谷をのぼって来たのであろう。あれは言語に絶する難行軍であった。過労のため兵は倒れ馬匹は足を滑らして落ちた。倒れた兵は自決し、或いは射殺された。宇治は血を吐きながら杖にすがって歩いた。サンホセに入っても何時まで軍隊としての命脈が保てるのか。