후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
梅崎 春生의 桜島・日の果て・幻化(さくらじま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 169,810자 · 345화면
ぼろぼろになった襯衣をまとい、足を長く伸ばしてあおむけに横たわっていた。宇治が近づく気配を感じたものか物うげに頸を動かしたが、その顔には驚きとか喜びとかの感情は全く無かった。頬骨の出た色の黒い兵である。気がつけば胸の上に組み合された両手はほとんど肉が落ちて、筋だけが針金のように浮き上っている。枕許に水筒と食べかけのバイヤバスが萎びて転がっていた。どんよりした視線で宇治の姿を眺めている。痴呆めいた視線であったが、その眼すらも暗い影に隈どられていた。床に片足をかけながら宇治は暫く冷たい眼付でその男を眺めていた。片足に力を入れて床の上にあがった。柱と床がいやな音を立てて軋んだ。
「お前は何か」
男のぼんやりした表情は変らなかった。宇治は更に声を大きくして再び同じ問いを繰り返した。低いうつろな声が、ゆるゆるした調子で男の口から洩れて出た。
「病気であります」
宇治はかさねて所属部隊を聞いた。何か答えるらしかったが、判然としないまま男はだるそうに眼を閉じた。瞼を閉じながら胸に組んだ掌を僅か動かして、これは比較的はっきりした声音で言った。
「も一人いるのです。奥に」