후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
山彦
と久世大和守が、雅楽頭に向かってとりなすように云った、「今日はだいぶおきつかった、どうやら原田も窮したようすです、このへんで勘弁してやるがいいでしょう」
「久世侯のおとりなしだ」と雅楽頭が云った、「約束の盃をくれるぞ」
そして、持っている盃を、いきなり甲斐に向かって投げた。甲斐は上半身を捻った。盃は顔のあたりへとんで来たが、躯を躱したので、はるかうしろにある衝立へ当って落ちた。
「おのれ、余のくれた盃をどうする」と雅楽頭が叫んだ。
甲斐は「手がすべりました」と低頭し、懐紙を出しながら座をさがって、落ちている盃を拾い、有難く頂戴つかまつります、と静かに云った。
「眼障りだ、さがれ」と雅楽頭は叫んだ。
甲斐は盃を懐紙に包んで平伏し、それから静かにその席を出ていった――。兵部と大和守は、気をのまれたような眼で、甲斐のうしろ姿を見送っていた。
山彦
――四月十三日(寛文三年)。
六カ条の件は、一ノ関の承服によって、本家国老と両後見、伊達兵部少輔、田村右京とのあいだに証文のとり交わしがあって、落着した。
甲斐はそこで筆を止めた。
「申上げます」という声が襖の向うに聞えた、「丹三郎でございます」