후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
それをおれに密告したわけか。私はかれらを去らせたくないのです、と又五郎はいった。おれは去る者は追わないぞ。しかし、五人に去られては道場はやってゆけなくなります。なに、かれらぐらいの人間なら五人や七人すぐに集まる。そうかもしれません、しかし苦労をともに凌いで来た「なかま」とは違います、と又五郎はいった。
「それはおれの云いたいことだぞ、野中」と六郎兵衛がいった、「なるほどおれは贅沢をしているかもしれない、しかしこれはおれ自身どうにもならないことだし、おれにはこのくらいの贅沢はゆるされてもいい筈だ」
「それはみんな承知しています」
「いやわかってはいない」六郎兵衛は椀の蓋へ酒をついで呷った、「あの苦しい貧乏時代、たとえ僅かずつでも金をくめんしたのは誰だ、この道場を買い、出稽古で扶持を取るようにしたのは誰だ、おれは自慢しようとは思わない、しかし、ここまでもって来るにはいろいろ苦心した、辛いおもいも苦しいおもいも、いや、口にはだせないような恥ずかしいおもいもした、おれはな、野中、――たった一人の妹を、二年ばかり他人のかこいものにしたこともあるんだぞ」
「柿崎さん」