후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
「つまり湯島へ寄ったのはその帰りですか」と甲斐が云った。
「はぐらかしますね」七十郎は微笑して云った、「これはまじめな話です、私は侯のおもいものというのが見たかった、なにしろ奥州六十万石の領主を棒にふらせた妓ですからね、どんな美人か拝見したかったし、侯の御執心ぶりも聞いてみたかった」
十左がまた彼を睨んだ、しかし七十郎は知らぬ顔でつづけた。
「ところが驚いたことに、妓は侯をまるで知らないんです。毎日かよって来る客はいくらもあるし、中国へんのなにがし侯などは二年もかよいつめているそうですがね、これが仙台侯と思い当るような人はいないというんです」
「そうだとすると」と十左が云った、「売女などにも口の軽いものばかりはいないとみえるな」
「ああいうところでは」とおくみがいそいで云った、「お客さまのことは決して話さないものだそうです、ことに御身分のある方ならなおさらでしょう」
「そのくらいのことを知らずに、この私が曲輪へいったと思うのかね、とんでもない、妓は本当に知らないんだ、ねえ、そうでしょう原田さん、貴方はそれを御存じの筈だ」
甲斐は「う」といって彼を見た。
「なにか云ったか」