일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면

아오조라 문고

かといって、上級生の権威を護るための最後の手段に出ることは、次郎の右手に光っている小刀の危険を冒すことなしには、今や全く不可能である――彼は、実際、自分以上の無法者を、だしぬけに、しかも自分の小さな獲物を発見して、進むことも退くことも出来なくなってしまったのである。

行詰った三つボタンは、変なせせら笑いをするよりほかなかった。それは、多くの人々が自分の不正と卑怯とをごまかすために、しばしば用いる手段である。だが、それがいくらかでも役に立つのは、相手がこちら以上に不正で卑怯な場合だけである。次郎に対しては、むろん何のききめもなかった。しかも、次郎を動かしていたのは、もはや彼の機智だけではなかった。彼は公憤に燃えていた。いや、公憤というようは、もっと全生命的な、己を忘れた、そして、ただちに死に通ずるといったような気持が、彼を三つボタンに対して身構えさしていたのである。

三つボタンのせせら笑いを見ると、次郎はそれをはじきかえすように叫んだ。

「馬鹿! 何を笑うんだ。あの女の子は僕の乳母やの子じゃないか。僕は乳母やと今までそこで話していたんだ。それから二人を見おくっていたんだ。