후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,724자 · 355화면
と、次郎は朝倉夫人の方に眼をやりながらつけ加えた。
「それには理由があると思います。今から考えると、僕がほんとうに迷い、ほんとうに物ごとを深く考えるようになったのは、その時からのことです。それに、僕は、これも今から考えてのことですが、その時はじめて、ほんとうに知性のゆたかな聡明な婦人の愛情というものを味わうことが出来たと思います。僕はこのことがあって以来、奥さんのどんなお言葉からも、また、僕を見られるどんなお眼の光からも、何かの教えと愛情とを汲みとることが出来るようになりました。その意味で、僕は奥さんをぬきにしては白鳥会を考えることが出来ません。白鳥会から奥さんを失うことは、僕にとっては、先生を失うことと同じように大きな打撃であります。諸君の中にも、いや、恐らく諸君のすべては、僕と同様の感じを抱いていることと信じます。朝倉先生に対する感謝の言葉は、さっきからの諸君の発表でもうつくされていると思うので、僕は、僕らにとって聖母マリアであり、観音菩薩であり、こして真に白鳥そのままの役目をつとめていただいた奥さんに感謝する意味で、僕のこの思い出を発表した次第であります。