후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,724자 · 355화면
一〇 掲示台
一〇 掲示台
朝倉先生の退職の辞令が掲示板に書かれて正式に発表されたのは、それから三日目の正午すこしまえだった。生徒の中には、すでにその朝の新聞を見て知っていたものもあり、それが全校につたわっていたので、午休みになってその掲示を見ても、べつにおどろきはしなかった。ただ掲示板のまえに集まって、わざとのようにわいわいさわぐだけだった。
次郎は掲示を見に行く気にもなれず、校庭の白楊のかげにただひとり寝ころんで、じっと空をながめた。空には雲ひとひらもなく、白い光がみなぎっていた。風もなかった。彼は孤独のさびしさがしみじみと湧いてくるのを感じた。彼の眼はひとりでにとじた。眼をとじると、しかし、掲示台のまえの生徒たちの軽薄なさわぎがいやに耳につき出したので、彼はまた思いきり大きく眼を見ひらいて空を見つめた。
(きょうは是が非でも朝倉先生をおたずねしてみよう。)
空を見つめながら、彼はそう思った。
(もう荷造りをはじめていられるかも知れない。)
そんなことも考えた。すると、がらんとした先生の家の様子が眼にうかんで来て、何か、たえられないような気になった。同時に、思い出されたのは、宝鏡先生の転任の時に、新賀と二人で荷造りの手伝いに行った日のことだった。