후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
「批判などというと、大げさにきこえるかもしれませんが、何も軍の内情まであばきたてて、かれこれ言おうというのではありません。そういうことは、この塾ではいっさいふれたくないし、また、ふれる必要もないと思います。しかし、叛乱軍をはっきり叛乱軍と言いきることだけは遠慮してはなりますまい。それをあいまいにして、事件の全責任をただちに国民全体が負うというようになりますと、まるで筋が通らなくなります。通すべき筋だけははっきり通して、その上で、負うべき責任を全国民が負う、そういったぐあいに指導していただきたいように思いますが……」
「いや、よくわかりました。むろん同感です。国民の責任といったところで、それは要するに、満州事変以来、おっしゃるような筋を通すことに国民が卑怯だった点にあるんですからね。」
田沼先生はうなずいて、じっと眼をふせた。そして、しばらく考えていたが、
「しかし、筋を通すには、それだけの覚悟がいりますね。」
と、今度は朝倉夫人のほうに眼をやり、急に、じょうだんめかして、言った。
「奥さん、五・一五事件の折りは、大変いやな思いをなすったんですが、もう一度ご苦労をおかけするかもしれませんよ。