후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
」
と、それだけ言うと、すぐ立ちあがって姿を消してしまう。姿を消すのは、塾生たちのため精進料理をこしらえるためである。老師はその粗末な黒い法衣の上にたすきをかけ、手伝いに来た近所のおかみさんたち二三人を相手に、自分でも、こま鼠のように台所を走りまわるのだった。塾生たちが、その様子を見て手伝いに行くと、
「おうお、こりゃあ助かる。こりゃあ助かる。でも、お客さまに手伝うてもろうては、仏さまに叱られるがな。」
と、いかにもうれしそうな顔をする。こんなふうだから、いつの旅行の時も、老師は塾生たちにとって忘れがたい人物の一人になるのだったが、とりわけ今度の場合は、杉山部落で賢者のような風貌をした片平翁に接した直後だっただけに、対照的な意味でも、ふかく印象づけられたらしかった。
その夜は、精進料理に舌つづみをうったあと、清水の青年たちとおそくまで座談会をやったが、ここにも塾の修了生が二名ほどいて、友愛塾音頭を、一般の青年たちにも普及させていたので、最後にはみんなでそれをおどり、一座に加わっていた老師を子供のように喜ばせたのであった。
第三日目は人間的交渉をさけて、ひたすら自然に親しもうという計画だった。