일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しょうがつのおもいで

正月の思い出

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 正月の思い出(しょうがつのおもいで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,019자 · 5화면

아오조라 문고

ある雑誌から「正月の思い出」という質問を受けた。一年一度のお正月、若い時から色々の面白い思い出がないでもないが、最も記憶に残っているのは、お正月として甚だお目出たくない、暗い思い出であることを正直に答えなければならない。

明治二十八年の正月、その前年の七月から日清戦争が開かれている。すなわち軍国の新年である。海陸ともに連戦連捷、旧冬の十二月九日には上野公園で東京祝捷会が盛大に挙行され、もう戦争の山も見えたというので、戦時とはいいながら歳末の東京市中は例年以上の賑わしさで、歳の市の売物も「負けた、負けた」といっては買手がないので、いずれも「勝った、買った」と呶鳴る勢いで、その勝った勝ったの戦捷気分が新年に持越して、それに屠蘇気分が加わったのであるから、去年の下半季の不景気に引きかえて、こんなに景気のよい新年は未曾有であるといわれた。

その輝かしい初春を寂しく迎えた一家がある。それは私の叔父の家で、その当時、麹町の一番町に住んでいたが、叔父は秋のはじめからの患いで、歳末三十日の夜に世を去った。明くれば大晦日、わたしたちは柩を守って歳を送らなければならないことになったのである。