일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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すいごういぶん

水郷異聞

田中 貢太郎

田中 貢太郎의 水郷異聞(すいごういぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,516자 · 36화면

아오조라 문고

宵に二時間ばかり闇をこしらえて出た赤い月があった。それは風のない春のような夜であった。二人伴の労働者のような酔っぱらいをやり過して、歩こうとして右側を見ると赤いにじんだような行燈が眼に注いた。それは昔泊ったことのある旅館であった。しかし、彼はその行燈に対して何の感情も持たなかった。

彼は甘い霞に包まれているような気もちになっていた。路の右側にある小料理屋から三絃が鳴って、その音といっしょに女の声もまじって二三人の怒鳴るような歌が聞えていたが、彼の耳には余程遠くの方で唄っている歌のようにしか思えなかった。

微白いぼうとした湖の水が見えて、右側に並んでいた人家がなくなった。もう運河が湖水へ入った土手が来たなと思った。そこには木材を積んだりセメントの樽のような大樽を置いたりしてあるのが見える。彼は二三年前の事業熱の盛んであった名残であろうと思った。

月に雲が懸ったのかあたりが灰色にぼかされて見えた。省三は東になった左手の湖の中に出っぱった丘のうえを見た。微黄ろな雲が月の面を通っていた。

「先生、山根先生ではございますまいか」

女が眼の前に立っていた。面長い白い顔の背の高い女であった。