일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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すいごういぶん

水郷異聞

田中 貢太郎

田中 貢太郎의 水郷異聞(すいごういぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,516자 · 36화면

아오조라 문고

すこし風があって青葉がアーク燈の面を撫でている宵のくちであった。上野の山を黙々として歩いていた省三は、不忍の弁天と向き合った石段をおり、ちょうど動坂の方へ往こうとする電車の往き過ぎるのを待って、電車路をのそりと横切り弁天の方へ往きかけた。そこにはうっすらした靄がかかって池の周囲の燈の光を奥深く見せていた。

彼は山の上で一時間も考えたことをまた後へもどして考えていた。……こうなれば、世間的の体裁などを云っていられない、断然別居しよう、小供には可哀そうだがしかたがない、そして、別居を承知しないと云うならひと思いに離別しよう、小供はもう三歳になっているからしっかりした婆やを雇えば好い、今晩まず別居の宣言をしてみよう、気の弱いことではいけない。どうも俺は気が弱いからそれがためにこれまで何かの点に於て損をしている、断然とやろう、来る日も来る日も無智の詞を聞いたり厭な顔を見せられたりするのは厭だ……。

彼はその夕方細君といがみ合ったことを思い浮べてみた。先月のはじめ水郷の町の講演に往って以来、長くて一週間早くて四五日するとぶらりと家を出て往った。そのつど二三日は帰って来ない彼に対して、敵意を挟んで来ている細君は隣の手前などはかまわなかった。