후리가나로 읽는 일본 고전
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すいま
水魔
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 水魔(すいま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,727자 · 24화면
「足が痛くないの」と、山西は巡査に怪しい者でないと云うことを見せるために、強いて親しそうな口を利いた。
二人は橋の左側を通って往った。下駄の音がからころと響いて聞えた。橋の下には鼠色の絨氈を敷いたような隅田川の水が、夢の世界を流れている河のように流れていた。
橋の行詰にも交番があって、巡査は入口に凭れて眠るようにしていた。山西は安心した。小女はその袂を左に折れて河岸ぶちを歩いた。右側にビール会社の煉瓦の建物が乾からびた血のような色をして聳えていた。そこはもう人通りが無くなっていた。山西はふと小女はべつに往く処はないが、人のいる処が恥かしいので、それで人通りのない方へ的もなく歩くのではあるまいかと思った。
「まだ遠いの」と云うと、小女は、「もう直ぐよ」と云うような顔をして男の顔を見返った。
「君の家」
小女は頭を揮った。二人は枕橋の袂へ曲ろうとする角の処へ来ていた。そこには河岸ぶちに寄って便所があった。その前へ往くと小女は不意に河岸ぶちの石垣の処まで走って往った。山西はまた逃げられてはならないとおもったので、後から跟いて往った。石垣の下にはもう満ちきった河水が満満と湛えていた。