후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
お時は獣の形をした土の蚊いぶしを縁に持ち出して、枯れた松葉や杉の葉などをくべた。それから切子燈籠に灯を入れた。
こうして働いているうちも、彼女はお米と十吉とのほかに、絶えず思うことが胸の奥にまつわっていた。
綾衣が廓に近いこの箕輪に隠れてからもうひと月余りにもなる。大菱屋の眼がここにとどかないのはむしろ不思議といってもいい位で、その不思議がいつまで続くかは疑問であった。いくら奥深く忍んでいても、元来が狭いあばら家である。ここらに見馴れない彼女の媚いた艶すがたはいつか人の眼について、十吉の家にはこのごろ妙な泊まり客がいるようだと、村の若い衆たちの茶話にものぼっていることを、お米からそっと知らされて、母子は寿命が縮まるほどに気を痛めた。決して邪魔にする気ではないが、綾衣をこうして預かっていることは、火の中にある毬栗を守っているよりも更にあぶないと思われた。しょせんは時間の問題で、永久に破裂を防ぐことの出来ないのは母子もあらかじめ覚悟していなければならなかった。
秘密が破裂したあかつきは第一に殿様のおためにならない。大菱屋から拐引を言い立てられたら、あるいは殿様の御身分にかかわるようなことが出来しないとも限らない。